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安西先生、漫画が読みたいです (二巻)

この記事を読むに当たって読むことに意味があるかと言われるとない記事⇒(一巻)





時は金なり

時間は貴重・有効なものだから、むだに費やしてはいけない。

(広辞苑)








――この言葉が真理だと言うなら、逆に、

時間が余っているなら、それを代価にお金を節約すべきだ。









本屋には聖域が存在する。

決して犯してはならない、神聖な領域。

凡人には近づくことはもとより、じろじろと眺めることすら許されない。




もし、そこに近づこうものならそれは社会的な死を意味する。

だから、僕らに出来ることは横目でその場所を確認し、

横目ですら見なかったことにしてその場をやりすごすことしかない。







少女漫画のコーナー。








あの本棚一列分をずらっと占める、女の子の空間。

同じ本屋内にありながらそのコントラストは異彩を放ち、

そこだけ異空間のように全てを拒絶している。



間違って迷い込んだら最後。

女性専用車両よろしく、僕間違っちゃったのアピールは必至。

少女漫画を探す様子など一切見せず、

立ち止まることなく一定のスピードで通り抜ける。

それしかない。







本日の敵、「NANA」はまさに少女漫画コーナーという要塞の中にいた。

過去のどんな敵よりも、敵は強い。

この最大の敵に挑戦するため、今日僕はブックオフに来ていた。





ブックオフという名の戦場において、僕は幾度となく熱戦を繰り返してきた。

金が無いなら、時間を使えを合言葉に。

読みたい漫画はいつもここで仕留めてきた。






どれもみな強敵だった。

「メジャー」のような長編漫画は何日も何日も通いつめ攻略し、

「KATSU」のような胸キュン作品には胸キュンしてる顔を見せないようにし、

「最終兵器彼女」のようなちょっとエッチな漫画は周りの視線という難敵に出会った。



だが、彼らはどれも男性漫画だ。






「NANA」は違う。





戦場に赴くことがまず一苦労なのである。



本屋に行って、まずすることはお目当ての漫画を探すということだ。

これが意外と骨が折れる。

出版社とかがわかってないと、タイトルを頼りに本棚を凝視しなければならない。

本棚の前をうろうろしなければならんだ。



それでも、男性漫画コーナーの場合は全然いい。

しかし、少女漫画コーナーの場合はそうはいかない。

あの女の子空間のなかで、本棚を丹念に凝視する、成人男性。







変態だ。





でも、どうしても「NANA」が読みたい。

今まで何度、少女漫画コーナー横目で見て、見なかったことにして立ち去っただろうか。




雰囲気に飲まれてはだめだ。






試合前の恐怖心は誰にでもあるもの・・

それから逃げずに受け止め、

そして乗り越えた時に初めて理想の精神状態にたどり着ける・・・




やるぜ、オヤジ。





僕が立てた作戦はこうだ。

とにかく、なるべく早く「NANA」を見つけること。

読み状態にさえ持ち込めば周りの視線から逃れることも可能なはずだ。

一番避けなければならないのは、「NANA」が見つからず、

少女漫画コーナーを何度も右往左往することだ。

少女漫画コーナーをうろうろすることが最大の羞恥プレイだ。





ベストなのは少女漫画コーナーに人がいないときに読みに入ること。






よし、イケル。






いざ、突入。










…。

















うわぁ、メッチャ女の子いるぅぅ














ダメだ。

ちょっと様子を見るんだ。

女の子の数が減るのを待つんだ。

って、少女漫画コーナーを横目で見ながら、その付近を右往左往。








変質者だ。








だー。

これもまずい。

このままこの付近をうろうろしていたら、余計に突入しずらくなる。

いざ突入した際に、「あ、こいつさっきからうろうろしてた輩だ」って思われる。

それは是非とも避けたい。






もう行くしかない。








突入。



女の子と目が合わないように、前を向きつつ、横目で「NANA」を捜索。

見つからない。

「NANA」に関する情報が無さ過ぎる。

出版社はなんだ、矢沢あいコーナーはないのか、表紙ははどんなんだ。

何もわからない。





二往復目。



見つからない。

せめて、もっとじろじろ捜索が出来れば。。。




三往復目。


もう帰りたい。ダンコたる決意が揺らぐ。

だが、ここで逃げたら、ただの羞恥プレイを楽しむ変態だ。

絶対に読んで帰る。ダンコゆんた。






四往復目。


発見。予想以上に発見が遅れたがなんとか発見。

いざ、「NANA」に挑む。







が、僕の考えは甘かった。

読みの体勢に入ればなんとかなると、そう信じていた。

少女漫画という要塞に守られた、「NANA」はそんなやわな相手じゃなかった。







後ろを通る女の子が気になる。

横で別の漫画を読んでる女の子が気になる。

品出しにくる店員が気になる。







全然集中できんのだ。










気がつけば二時間が経過。

当初の目的は果たした。

「NANA」全巻読破。




ブックオフを出て振り返った。

ここまでして読んだ「NANA」だが、

面白かったか、面白くなかったかと言われれば、






恥ずかしかった。

これに尽きる。









たしかに、

この目で文字を読み、

絵を見て、

この手でページをめくり、

一冊一冊と倒していったはずだ。






なのに、内容をほとんど覚えていない。












あぁ、


俺はなんて無駄な時間を・・・











やっぱり時は金なりだ。




そんな人生の真理を痛感した僕は、翌日、ネットカフェに出頭した。

「NANA」を読むために。

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